スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ルークトゥンとLOSO

【コラム】
ルークトゥンとLOSO

~アルバム「Sek LOSO 12years Live Jai sanmar」で気づいたこと~





~序~(断り書き)

 このコラムは初め、セークLOSO12周年記念ライブのレビューとして書き始めたものだ。しかし、途中からLOSOと通してルークトゥンの存在意義的な ものに至ってしまい、趣旨替えをせざる得なくなってしまった。その為、途中アルバムへの批評が展開されるのであらかじめ了解願いたい。とはいえ、LOSOとルークトゥン。どんな関係性があるのだろう。書いているうちに見えた共通点については、異論もあるだろうが決して的外れでもないと思うのだが。。。



2004年6月6日 そむちゃい吉田(C)撮影






2004年6月6日 そむちゃい吉田(C)撮影


~わたしとLOSO~


 そもそも自分がLOSOを好きになったのは、アルバム「エンターテイメント」が出たばかりの頃。アライ・コ・ヨームメーソム・サーンと名曲が揃っているアルバムをロック畑の自分が気に入るのは当然であったが、クリスティーナー、バードに続いて3組目に聴いたタイの音楽であった。また当時、タイ語を勉強し始めていた自分にとって、聞いて歌うことでタイ語に慣れるという最適の教材にもなったのがこのアルバムだった。また、恥ずかしい話であるが、バンコクに住んでいた終わりの頃、とあるカラオケ店で「メー」を歌いながら号泣してしまったことがある。当時、5年以上日本に帰らず(帰れず)にいて、両親への思いも気づかぬうちに溜まっていたのだろう。いつもの歌い慣れた歌として、普通に歌い始めた。そして情感を込めて歌っているとタイの友人から「泣くなよ~。」などとチャカされた。次の瞬間、涙がボロボロと流れ出したのだ。こんなことは経験したことなく、自分でも驚いた瞬間だった。歌い終わって、恥ずかしさのあまりにトイレに駆け込み顔を洗ったのだが、チャカした友人たちはわたしがそんなことになっているなど気にも留めずに盛り上がっていたのを覚えている。そして、この後2年くらいこの曲は歌うことができなかった。


アルバム:ENTERTAMENT


 さて、LOSOがこれほどにタイで大成功したのはなぜなのだろう?これまであまり考えてこなかった。これだけ日本人にもファンが多いので、すでに気がつかれている方もいるだろうが、その方にはお目汚しとして読み飛ばしていただくとして、書き進める。



~アルバム「Sek LOSO 12years Live =Jai san mar=」~


 LOSOを聞いてタイ語を学んだといってもいいわたしだが、RED ALBUM以降にソロになったセークは、全くといっていいほどに聴いていなかった。このことが今回、このコラムを書かずにいられなくなった遠因でもある。恐らくずっと聴き続けていたら、この変化には気がつかなかったかも知れない。



アルバム
Sek LOSO 12years Live =Jai san mar=

 このアルバムはライブということで、途中にハウリングがしていたり、音を外したりすることもある。それはかえって臨場感につながり、他のライブ作品についてもわたしは好意的に受け止めている。が、しかしである。本作については、特に演奏の完成度においてはかなりキビシい評価をせざる得ない。バンドとしてのLOSOは、その最後のスタジオ録音となってしまった「RED ALBUM(ポクデーン)」が正に最高傑作であったと思う。この前作LOSOLANDやRock'n'Rollとと言った思いっきり力みまくっていた頃に比べて、余分な力が抜けロックという範疇を飛び越えた、貫禄すら漂う曲が並んでいた。残念なことに続くライブアルバムを最後に解散してしまうことになるのだが、それはバンドとしてのLOSOがまさに熟した瞬間だったのだろう。セークなりに終わりの美学としての結実だったのかも知れない。故にわたしも以降のセークの作品に興味を失ったともいえる。



アルバム
RED ALBUM(ポクデーン)



 なぜこんなことを書いているかというと、本作のバンドとしての演奏力、特にドラムのリズム感に非常な不満を持ったからだ。バンドLOSOの時にはヤイ(現在はフォーレンハイトというバンドに在籍)という希有なドラマーがその真ん中にいた。ヤイはグランミー傘下のモアミュージック代表でもあるアサニーワッサンがツアーに出る度に指名されるタイ随一の技巧派、実力派ドラマーだ。彼がいたからこそ、セークは何の不安もなく歌とギターに集中していたに違いないのだ。当時の曲をこのアルバムで聴くに連れ、ヤイの類い稀なリズム感にあらためて感服してしまった。具体的にいえば、ここでのバンドにはタメがないのだ。逆に前のめりになり、酷い時には「走って」しまう。タメも走るも音楽用語なので、少し説明すると、トントントンと平坦に思えるリズムでも、少し(といっても音符に表せるほどではない)遅らせることがある。これをタメという。逆に走るとは、正確なテンポよりもほんの少し早くなり、酷い時には曲の初めと終わりで早さが違ってしまうことを言う。後半になってやっと気にならない程度に落ち着くのだが、ショーのスタートからしばらくは、それが気になって仕方ない。だが、逆にこのスタイルこそがセークがバンドを解散した理由なのかも知れない。とはいえ、アメリカではなくイギリスに留学し、かの伝統的なレディングフェスティバルにも出演するほどのセークならば、ブリティッシュロックの根底にあるメロディーとリズムの割り切れない「なまり」に気がついていないとは思えない。そして、その割り切れなさがバンドLOSOにはあったと思う。



左からヤイ、セーク、ラット

 この割り切れなさもルークトゥン、特にモーラムにも見られる。というか、正確なリズムがありそうで割り切れない。メロディーはあるけど歌えないという、まさに浸かりきったものにしか理解し得ない「なまり」があるのだ。それは特にライブでしか味わえないものでもある。スタジオで3~4分をきっちり演奏すればいいという世界には起こりえない「タメ」とも「走る」とも違うグルーブ感だ。3時間を超えるライブであったが、残念ながら本作では最後までそれは起きず、後半になってやっと「走り」が無くなったというだけであった。願わくば、精力的に活動しているセークには、こうした原点ともいえることに気がついて欲しい。これは上から目線的な意見ではなく、いちファンとして、売れようが売れまいが自分がやりたいことをやる姿勢とまず自分が満足する音楽をやるという意味での原点への回帰。そして、故郷のコラートで育まれたリズム感をセークなりに反映したものを聴きたいという欲望、願望を込めた個人的な想いだ。そして、アルバムのサブタイトル「チャイ・サン・マー」とは、まさに心の命じるままにという意味なのだ。


2004年6月6日 そむちゃい吉田(C)撮影


~LOSOとルークトゥン~

 メーモーターサイラップチャーンを代表としてLOSOは常に田舎から都会に出てきた若者の心情を歌い続けてきた。その世界観、そして歌詞はまさにルークトゥンと全く同じものだ。セークは田舎者の代弁者として、今の地位を築いたと結論付けてもいいだろう。


昨年11月に行われたビエンチャン公演の看板

 タイの田舎、特にイサーン地方に行けばルークトゥンやモーラムがポップスよりも人気がある。しかし、こと若者には「嫌いだ」という人も少なからずいる。そんな彼らに誰が好きかを聞けば二人に一人はLOSOと答えた(時期があった)。この現象からいえることは、ルークトゥンとは、あくまで都会に出た者の望郷歌であり、田舎に留まっている若者にとってはロックやストリングがあこがれの都会の歌なのだと言うことだ。これは例えれば、かつて日本から見たアメリカがあこがれの存在であり、その姿形(ファッション、価値観)こそが自分たちの未来だと信じて疑わなかった日本人に共通した考え方ともいえるだろう。そういった価値観の中でコラート出身のセークは、自分の出自を恥じることもなく、むしろ逆にそれを前面に出したことで多くの共感を今でも得ているのだろう。自らのアイデンティティーを恥じるがごとく、洗脳されてしまった日本人との違いがここにある。タイ人は欧米や日本に憧れや羨望の念こそ抱くが、自分が何者なのかということを決して忘れることがないのだ。



2004年6月6日 そむちゃい吉田(C)撮影

 セークがあこがれたというミュージシャンとして真っ先に名前をあげているのが、プアチーウィチットの重鎮カラバオだ。以前も書いた通り、プアチーウィットという音楽自体がルークトゥンとルーツを同じくするものであり、そのカラバオを聞いて育ったセークにもごく自然にルークトゥンの心が育まれているのだろう。もちろん、ルークトゥンそのものも小さいときから当たり前のように耳にしていたに違いないのだ。かつて、バンドブームの先達であったFLYやYnot7ら(※)がルークトゥンをカバーしたように、いつの日かセークがルークトゥンをカバーすることもあるのかも知れない。

※ FLYのボーカルがイート・ノークローブとして、Ynot7のギタリスト、チェットらとルークトゥンの名曲をロック風にアレンジした4作品を発表。またチェットは現在、元LOSOのドラマー、ヤイとともにファーレンハイトというバンドに在籍している。


2011年2月 そむちゃい吉田(C)



バードセークとしてタイの国民的歌手バードとも共演
今やグランミーを代表する看板歌手となったセーク



2004年6月6日 そむちゃい吉田(C)撮影







ランキング参加してみました。
ポチッとよろしく♪
追い越せK-POP!

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ      にほんブログ村 音楽ブログ アジアPOPへ


関連記事
スポンサーサイト

テーマ : タイの歌謡曲
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

♪Tommyさん♪

> ですね。
> でも、アニキのことが何一つ書かれてないのは、悲しい。
> いくら、弟の七光りとはいえ、アニキも一線級のルークトゥン(?)歌手なのに。

セーンはこのアルバムにも登場するけど、一曲デュエットするだけで
他のゲストが持ち歌歌うのになぜか歌ってない。
もしかするとカットされてるのかな。

アニキ、セーン・ナーガーはプアチーウチット歌手ですよ。
まぁ、別の機会に取り上げようとは思ってますが、いつになるやら。。。
何かヒット曲が出れば・・・ですかねぇ。

個人的にはナーガーとしてのデビュー曲「キットゥンター」が一番。

大作

ですね。
でも、アニキのことが何一つ書かれてないのは、悲しい。
いくら、弟の七光りとはいえ、アニキも一線級のルークトゥン(?)歌手なのに。

Information

Please visit our sponsor's site
==== Japanese No1 Dance wear Brand ====


タイランドハイパーリンク【12人のタイブロガー】に選定されました。


★☆★☆★☆タイに行きタイ★今すぐ予約!☆★☆★☆★

  • ホテル
  • 航空券
  • 航空券+ホテル
1.行き先をお選びください
2.日程・宿泊者情報を指定してください
  • チェックイン

  • チェックアウト


  • 部屋数

  • 大人

  • お子様(<18)

検索
Welcome!!
ยินดีต้อนรับ!!
บล็อกนี้แนะนำให้คนญี่ปุ่นเรื่องลูกทุ่งหมอลำตั้งแต่ปี่2546

ルークトゥンタイランドへようこそ
本サイトは2003年から
ルークトゥン・モーラムに
ついて紹介している
日本で最初の専門サイトです。


YouTUBEチャンネル
随時更新中

現場の雰囲気を満喫下さい


Facebookでも
最新情報更新中


いいね!お願いします。
Category
Article
Comment
Search
ブログ内検察はこちらから
Recommend
タイ東北地方には進学を
諦めざる得ない子ども達が
子どもたちがまだいます


当ブログも応援してます♪


ラオスの子ども達にも
等しく学ぶ機会を!



お買物で国際社会貢献
民族衣装・アジア雑貨

タイの歌手へ提唱提供中!
日本のダンスウェア販売
トップサイト



タイ関連No1
ポータルサイト

タイと日本を結ぶポータルサイト
チャンノイ.ネット



Visit Amazing Thailand!
かしこい旅、エクスペディア

かしこい旅、エクスペディア

かしこい旅、エクスペディア

Friends' Link
Loogthung Link
Promoter
 R-SIAM
 GMM GRAMMY
 SURE ENTERTAINMENT

RadioStation

 Luktung Mahanakhon

Artist

 Jonus&Cristy

 歌手のサイトは
 リンク切れ多発のため
 検証中。
Monthly
Reccomend Books
My works
 本サイトは「そむちゃい吉田」が運営管理しています。1999年からタイに在住し、2003年8月よりホームページで本サイトの前身を開設。2008年より本ブログへ移行。FacebookページYouTubeチャンネルも開設し、現在に至りました。
 業界内でも知名度も上がり、近年は独自のコンサート企画やコラボ、日本とのコーディネートにも関わるようになりました。最近では、歌手から日本行きや仕事の紹介を頼まれることもあります。
 歌手を呼びたい。コンサートへ行きたい。など、お気軽にお問い合わせください。少しでも、一人でもタイのルークトゥンが広まり、ファンが増えることが本サイト最大の目的です。


そむちゃい吉田の著書
なお、出版社解散につき、増刷はありません。現在出回っているものがなくなり次第絶版です。涙






==こちらにも寄稿中==




↓こちらもよろしく↓

BLOG Ranking

当ブログが参加している
ランキング
記事を気に入っていただけたら
ポチッとお願いします
↓↓↓↓↓↓
にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ
にほんブログ村 音楽ブログ アジアPOPへ
にほんブログ村 音楽ブログ タイ音楽へ
にほんブログ村 音楽ブログへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
blogram投票ボタン
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。